問題になる歯ならびにも様々な種類がありますので、よくあるものを解説していきたいと思います。
歯ならびがデコボコにかさなった状態の歯並びを叢生(そうせい)といいます。
主な原因は歯が大きくアゴが小さいためで、歯がアゴの中に並びきらないために起こります。
八重歯(やえば)も典型的な叢生の症状といえます。
治療は様々な方法がとられますが、マルチブラケット装置がもっとも主流な治し方になります。
デコボコの程度により歯を抜いて治すことになりますが、デコボコが軽度の場合は抜かずに対応可能な場合もあります。
顎を広げることにより歯を抜かないで治療することもその程度により可能ですが、治療後の戻りが起こりやすく安定性にも問題があるため、過剰に顎を広げることによって歯を抜かずに治療する方法は当医院ではお勧めしておりません。しかしながら抜かずに治せるチャンスがあり、患者さんの協力も得られる場合は抜かない治療を選択することもあります。
患者様側としては歯を抜きたくないのは当然だと思いますが、長期的な安定性が得られない、又は長期的な安定性のデータが不十分な歯を抜かない治療は当医院ではあまりお勧めしておりません。
上の歯が下の歯よりも前に出すぎている状態を上顎前突と言います。
原因は上の歯だけが出ている場合もありますが、アゴの骨格が前後にズレていることが原因になっていることもあります。
前歯が出ているため、唇が閉じづらく、唇が前に突出してしまいます。
治療はマルチブラケット装置をおもに使って治します。
取り外しが可能な機能的顎矯正装置(Functional appliance) F.K.O. Bionator. なども状況により使用する事もありますが、これらの機能的顎矯正装置は多くのリサーチからもあまり効果が期待できないことが報告されており、私もその見解を支持する立場を取っております。
下の歯が上の歯よりも前に出てしまっている状態を言います。
原因は前歯だけが位置的に前後している場合もありますが、アゴの骨格ごと前後にずれてることも多くあります。
下あごがでているため、横顔が三日月型になることがあります。
骨格的なズレが大きい場合は、6~7才ごろからの治療が好ましいこともあります。
反対咬合の症状の方は特に6才頃の早めの初診相談が理想です。
(ありしま矯正歯科では、いずれの症状の場合でも可能ならば6~7才で初診相談を一度お受けになることをお勧めしております)
上下の前歯が深く咬み込みすぎてしまっている状態です。
咬んだ状態で前から見ると下の前歯があまり見えないのが特徴です。
下の前歯が上の前歯と咬み合わず、前歯の裏側の歯肉を咬み込んでしまっている場合もあります。
上下の歯の真ん中があっていない状態です。
原因は、歯のデコボコやアゴの左右の変形などが原因となります。
正中は完全に一致しているのがベストですが、矯正治療を行っても完全に一致させることが困難な場合もあります。